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新表現主義とは、1980年代のポストモダン芸術の2大潮流のうちの一つ(もうひとつはアプロプリエーション)で、それまで美術界の大きな流れであありテッパン表現であったコンセプチュアルアートに反発するかたちで生まれた美術様式。Neo Expressionism。ドイツ・イタリア・ニューヨークを中心に発達し、ニュー・ペインティングとも呼ばれる。
コンセプチュアル・アートへの反動
コンセプチュアル・アート=感情・物語を否定する表現様式であり、これに反発する新表現主義は感情や物語を強く肯定する。
故に新表現主義、すなわちニューペインティングにおいては、具象絵画・具象彫刻作品が制作された。
敗戦によるアイデンティティーの喪失?
第二次世界大戦の敗戦国であるドイツにおいては、敗戦により分断されてしまった敗戦前の自国との繋がりを強調するべく、神話や聖書、昔の生活のイメージなどを引用するような作品が多く作られた。
新表現主義とは第二次大戦で敗戦し自国アイデンティティーを喪失した敗戦国であるドイツ・イタリアが、60年代から世界を支配したコンセプチュアル・アート(=アメリカ(戦勝国)的芸術表現)を批判することによって、その存在意義を模索しようとした動向とみることができるのではないだろうか。
ちなみに日本においてはこの新表現主義、ニューペインティングが定着しなかったと言われるが、イラストの文脈に寄り添った横尾忠則、大竹伸朗、日比野克彦などの活動をこれの日本版とみなすこともあるようだ。
ニューペインティングは日本では新しい傾向として定着しなかったが、イラストレーションと結びつき、ニューペインティング風描法(具象絵画)が浸透した。81年「画家宣言」の横尾忠則ほか、大竹伸朗、日比野克彦などが該当するだろう。via : PEELER/菅原義之「美術散歩」わかりにくい日本の80年代
新表現主義の主要人物
- ゲオルグ・バゼリッツ(独:画家 – 作品集)
- アンゼルム・キーファー(独:画家 – 作品集)
- ジャン・ミッシェル・バスキア(米:画家 – 作品集)
- ジュリアン・シュナーベル(米:画家 – 作品集)
- フランチェスコ・クレメンテ(伊:画家 – 作品集)
- サンドロ・キア(伊:画家 – 作品集)
- エンゾ・クッキ(伊:画家 – 作品集)