1962年生まれ。いわずと知れた美術評論家。70年代後半以降のサブカルチャー(パンク、テクノ、ポップ等)から影響を受けてる感じ。
『美術手帖』編集部を経て、現在多摩美で教鞭をとる。彼の講義なんか聞いてると、良しにつけ悪しきにつけすごい真面目なんだろうと思う。
彼が主に扱うテーマとしての「サブカルチャー」の本質は、わたしは個人的、趣味的ということだと思うのだが、それが今現在、無視できないほどの経済的、文化的影響力を持っている。
そもそもそれ以前の事を考えれば、個人的な具体的事項を、抽象化してカタチにするのが芸術の目的とすることだったように思う。しかし現在その抽象化がされ ない極めて個人的な表現が力を持ち始めているような気がする。その状況こそが椹木野衣が自らが美術評論家として解明ないしは、言葉によって説明しようとし ていることなのではないだろうか。
主な著書:『シミュレーショニズム』(洋泉社1991、ちくま学芸文庫2001)、『日本・現代・美術』(新潮社1998)『戦争と万博』(美術出版社)