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美学とは、学問の一種で、美、芸術、趣味に関する哲学の一領域のこと。18世紀の西洋において台頭した自然科学の発達により生じた「科学的認識と感覚的認識はなぜ食い違うのか?」という疑問から生まれた学問領域である。
美術と同様に美学もまた明治時代に西洋から輸入した訳語で、中江兆民の訳書『維氏美学』に初めて見出される。
原語はフランス語のl’esthetique(英:aesthetics)であり、兆民はこれを美学と訳し今日に至る。
aestheticsの柱は以下の3つ。
- 感性的な認識
- 芸術の対象領域
- 美という価値
注意すべき点はaestheticsという学問が提唱されたのは18世紀半ばで、18世紀末には一般認知されたと思われるトコロ。
これは、近代的な意味での芸術、すなわちハイカルチャー・個人的感性・思考発の芸術を対象とした学問であることを暗に意味する。
現代の「芸術」が意味するところと、過去の「芸術」が意味するところはまるで違う。布教のためのツールであったころの芸術と、権力者の権威誇示のためのツールであったころの芸術と、作家の個人表現としてのツールである現代の芸術とは別のものとして認識すべきであり、それ故に「18世紀」に誕生した美学が対象とするのは3番目の「作家の個人表現としての芸術」であり、近代以前の芸術には敷衍することは意味を成さない。