卒業制作も無事終わりました。おまけに優秀作品って言うおまけまでついてきてホッとしたいとこですが、やれ写真撮影だ、レポート8000字だ、梱包だ、 展覧会準備だ、ポートフォリオだやらで息つく暇もありゃしません。
多摩美工芸の写真撮影は毎年カメラマンの斎城卓さんに撮って頂いております。一度現代美術写真で有名な安斉重雄さんに 撮ってもらったらしいのですが、工芸素材を撮るのはやはり難しかったらしく、あまり評判がよろしくないとのことで再び斎城さんにお願いするようになったよ うです。やっぱ専門ってもんがあるからしょうがないですよね。
撮影は工芸全体70人近くを6日間、金属は22人分を丸2日間で行われました。朝から晩まで。そこで私は久「プロ」ってモンに出会いました。 斎城さんは休憩らしき休憩を全く入れずにひたすらノンストップ撮り続ける。途中でだらだらするでもなく、一日中機敏な動きで撮影に臨んでる。 私は写真のことなど全く分らないアホなので、すべて斎城さんにおまかせしました。彼の仕事ぶりを見てりゃ誰だって分る。「ああ、プロだ」って。
俺らみたいなシロートなんかがポラ見たって仕上がり具合など想像できないし、黙って任せるしかないわけですよ。一応自分の考えっていうか疑問だけ伝えてお任せしました。
と言うか 最初一枚ポラ撮りして、そのポラを斎城さんが確認してる時にこんな事を言ってもらったんです。「君の作品はちゃんと自立してるねー」って。長いこと写真 撮ってるけど、本当にいい作品はどう撮っても良く撮れちゃう。ここがもうちょっととか、この壁のラインが気になる、ってことが無い。君の作品はきちんと 立ってるよ、って言って下さったんですね。いやーうれしかったな。そんな話の後に、いきなり「俺の好きなように撮ってもいいかな?」なんて聞いておきつ つ、こっちの返事も待たずに動き出されちゃ、当然任せますよ。まだ写真自体は上がってないけど間違いなくカッコ良く仕上がってるんだろうな。