友人の作家から
「こんなん知ってる?」
と紹介されたのが”Craft Punk”。
イタリア・ミラノで開催された「サローネ国際家具見本市”Salone Internazionale del Mobile”」でのことだ。「フェンディ」と「デザイン・マイアミ」がコラボレーションをしたパフォーマンス「クラフト・パンク”Craft Punk”」。そんなプロジェクトの中の「Studio Libertiny」によるパフォーマンス ‘the weldgrown void (from welded series)’が以下の動画。(フェンディーに拍手)
サローネ2009のフェンディスペースに13人のインダストリアルデザイナーが召集され、トラディショナルなクラフト技法を使いライブ実演するというものだそうだ。
この「クラフトパンク」によらないが、デザイン界は「形と色」による造形のバリエーションに限界をみている。もう出尽くした感が漂っていた。ここにあって近年各々のデザイナーは新しい表現を模索するために「新素材」「新技法」に向かうとともに、素材に対するアプローチを変化させてきていると私は見ている。
旧来、素材とは「フォルムを作るためのもの」であった。自分の頭の中にある形を実現させるための「駒」に過ぎなかった。しかしそれでは「形」に限界が生じる。人間が頭の中で考えることなど多寡が知れている。
ではここ近年見られる素材への「態度」っていったいどんなもんなの?というと素材を「構造」としてみなすことだと私は思う。その素材が持ちうる独特の構造の結果形が「生成される」のだ。分かりやすいとこで行くと、日本人で言えば吉岡徳仁なんかいい例だろう。ちなみにぼくはこのアプローチの変化は歴史的に見て必然のものであり、造形史上ひとつのパラダイムになると考えてます。
cTokujin_Yoshioka_Design
しかし実際のところこの方向性のアプローチというのは随分前から日本の工芸界(?)で実践探求されていたもので、このStudio Libertinyの仕事なんかも、(まあコンセプトが違うからアレですが)ぼくの先輩ですが留守玲の仕事と比べてしまうと弱々しくみえる。
cStudio_Libertiny
cRusu_Aki
ただこのクラフトパンクをはじめとする仕事が意味するところはもっと多岐にわたるもので、きちっと文章にする必要があると思うのですが、ちょーっとタフな作業になるので今日はこの辺で。。