2000年も中頃になってようやく日本でも開催され始めたアートの見本市”アートフェア”ですが、年を追うごとに様々なアートフェアが行われるようになってきています。(参考:アートフェアとは?)
一体どれくらいのアートフェアが開催されているのかを個人的に把握しておきたかったこともあり、日本国内で開催されたことのあるアートフェアと名乗るイベントをまとめてみました。その数12個。
2011年の開催日程が決定しているものについては開催日時も記しておきます。
アートフェア東京
2005年にスタートしたアートフェア東京。日本最大の集客を誇る一番大きなアートフェア。
展示される作品は古美術・工芸から、日本画・洋画、現代美術までと幅広い造形表現ジャンルを網羅しており、よく言えば誰でも楽しめて、悪く言えば雑多な印象が否めなく鑑賞しづらい空間になってます。アートフェア=見本市=購買の場と考えればまあ当然でしょうが。
アートフェア東京は、国内外のギャラリーが集結し、選りすぐりのアートを展示販売する、日本最大のアートの見本市です。2005 年に始まり、2007 年より毎年4 月、桜の咲く季節に東京国際フォーラムで開催されています。via : アートフェア東京とは | アートフェア東京 ART FAIR TOKYO
2011年の開催予定
- 期間:2011年4月1日(金) ,2日(土) 11:00 – 21:00 / 4月3日(日) 10:30 – 17:00
- 会場:東京国際フォーラム
- Web:http://www.artfairtokyo.com/
G-tokyo
昨年からはじまったばかりのアートフェアで、コンテンポラリーアートを扱う国内の主要TOP15のCMギャラリーが参加。
G-tokyo 2011参加ギャラリー
- アラタニウラノ
- ギャラリー小柳
- ギャラリーSIDE2
- ヒロミヨシイ
- ケンジタキギャラリー
- 児玉画廊
- 小山登美夫ギャラリー
- ミヅマアートギャラリー
- オオタファインアーツ
- SCAI THE BATHHOUSE
- シュウゴアーツ
- タカ・イシイギャラリー
- TARO NASU
- ワコウ・ワークス・オブ・アート
- 山本現代
G-tokyoは、規模を拡大することよりも、さらなるクオリティと充実度を増すことを目指します。国際規模のマーケットで認知され、コンテンポラリーアートのフロントラインで活動してきた15のギャラリーが集まり、他にはない、見応えのあるギャラリーショウを展開します。アートに命をかけて創作を行うアーティストをサポートし、共に歩んできたギャラリーだからこそ、そのスピリットをメッセージとして発信できる。なんでもある、のではなく、特別なものしかない。via : Support | G-tokyo 2011
2011年の開催予定
- 期間:2011年2月19日 -2月27日
- 時間:11:00-20:00 ただし25日(金)、26日(土)は21:00 まで
- 会場:森アーツセンターギャラリー
- Web:http://www.gtokyo-art.com/#/15galleries/
エマージング・ディレクターズ・アートフェア 「ウルトラ」
通常ギャラリー単位での出品が基本となるアートフェアに対してこのウルトラはディレクター単位での出品。オフィシャルWEBサイトはないモヨウ。
「ウルトラ」はディレクター個人をその出展単位とする事で、美術が本来持っているであろう、「個」の力を作品から、また展示から、またマーケットから引き出すという目論見のもと企画されます。 via : ULTRA-statement
青参道アートフェア
『根本にあるのは「買う人を育てる」という狙い』
青参道実行委員長であるアッシュ・ペー・フランスのアートディレクター戸塚憲太郎氏はこう語ります。マーケットが存在してないのに見本市やってもしょうがないですもんね。
2007年11月に青山通りと表参道を結ぶ「青参道」で初めて開催された青参道アートフェア。アートで通りが賑わうこと、そして若手アーティストの作品を「購入する」楽しみを知ってもらうことが目的です。「アート」と言うと高価なイメージですが、若手アーティストの作品は手頃なものも多く、青参道アートフェアで初めてアートを購入したという方も少なくありません。特徴は青参道にある店舗スペースがアートを飾る会場になるということ。第三回目となった昨年は16店舗、25組のアーティストが参加。今注目の若手アーティストの作品が青参道一帯の店舗に展示され、多くの人達の目を楽しませました。via : アートフェア | 青参道
アートフェア京都
その名のとおり京都で開催されているアートフェア。
特徴はホテルで行われているところでしょうか。
「京都を世界に誇る美術の産地、市場にする」ためのステップとして国際化も推進します。韓国・ソウル次世代のホテル型アートフェア「DOORS」や東京の新しいアートプラットフォーム「TOKYO FRONT LINE」と連携し、アートフェアがコネクトし合うことで生まれるグローバルなネットワーク形成を目指します。via : ART FAIR KYOTO 2011 in Hotel Monterey
2011年の開催予定
- 期間:2011年5月20日(金)・21日(土)・22日(日)
- 時間 / 11:00~19:00
- 会場:ホテルモントレ京都 4 階・5 階フロア
- Web:http://www.artfairkyoto.com/
VIP アートフェア
ちょいと番外編になっちゃいますが、今年2011年の1月22日から30日までの一週間に開催された史上初のアートフェア。
何が史上初かというと、このアートフェアには会場がない。すなわち完全にオンライン上のみで開催されたアートフェアなのです。
でもそれだけであれば
「あー、ただのネットショップじゃん」
ってことで一蹴されるのだが、そうはならなかったのはその参加ギャラリーの顔ぶれによる。
ガゴジアン、ホワイト・キューブ、ブルーム&ポー、デイヴィッド・ズウィルナー、イヴォン・ランベール、ハウザー&ワース、エマニュエル・ペロタン、サディー・コール、グザヴィエ・フフケンス、マリアン・グッドマンなどの世界最大のアートフェア「アート・バーゼル」の常連どころを筆頭に、日本からもミヅマ・アートギャラリー、オオタ・ファインアーツ、SCAI THE BATHHOUSEが参加。
30カ国全139ギャラリーが参加し、2,000人のアーティスト、計7,500点ものアート作品が出品された。
そりゃ一蹴されるわけがない。
TOKYO FRONTLINE
『国内外の新たなアートコレクターの開拓をミッションとします』
という実にシンプルで分かりやすいステートメントに現れているとおり、他のアートフェアとは一線を画して上記コンセプトに基づいた興味深い3セクションを行うようです。個人的には「EXCHANGE」というセクションはとても気になりますね。
詳細は以下の引用をご参照あれ。
TOKYO FRONTLINEは、若手コンテンポラリーアーティストを選抜したスペシャルショーケース「FRONTLINE」、従来の国内のアートフェアの形式を発展させて、新しいマーケットの流れを生み出す「GYM」、そしてアートフェアという従来のマーケット主導に陥りがちな機構を、より国際的に、そしてクリエイティヴにバリューアップさせるため、海外のアート組織、企業、メディアとコラボする「EXCHANGE」の3セクションを主軸に構成されます。via : TOKYO FRONTLINE
2011年の開催予定
- 日時: 2011年2月17日(木)- 2月20日(日)11:00-20:00 (最終日-17:00)
- 会場:3331 Arts Chiyoda
- Web:http://www.tokyofrontline.jp/
TOKYO PHOTO
写真専門のアートフェア。スポンサーにANAやアメリカ大使館、ブルガリや日産スカイラインなどが名を連ねております。
東京フォトは、今年で2回目を迎える写真の国際アートイベントです。
国内外有数のギャラリーが一堂に会し、写真作品の展示、販売をするとともに、「PHOTO AMERICA II」をはじめとする特別展、セミナーなども開催し、写真を見る楽しみだけでなく、所蔵し収集する楽しみをもご紹介する総合イベントです。via : 東京フォト2010について : TOKYO PHOTO 2010
KOGEI- 現代工芸アートフェア
工芸なのにアートフェア。プロモーションのためには使わざるを得ないでしょうからそこはご愛嬌。
日本で初めて開かれる工芸アートにフォーカスしたアートフェアの開催です。混迷を深め、自信を失いかけている今の日本において何か自信を取り戻せるようなきっかけを、例えば日本が世界に誇れる日本の美を私達が再発見出来るような場を提起出来れば、こんな願いが第一回現代工芸アートフェアには込められています。日本の工芸アートは深く日本の風土に根ざしています。それは新緑溢れる山の土であり、清洌なせせらぎの水であり、炎が巻き起こす風であります。長い時間をかけ修練され、受け継がれた技法と妥協のない今を生きる作家の営為が日本の工芸作品を造形します。第一回現代工芸アートフェアが日本の美の再発見のきっかけになれればと、私達は考えます。via : ごあいさつ|現代工芸アートフェア
2011年の開催予定
- 日時:2011年3月5日11:00-20:00 / 3月6日10:30-17:00
- 会場:東京国際フォーラムB2展示ホール
- Web:http://www.kogeiart.com/
Mancy’s Art Nights
イタリアンレストランで開催される「食」と「遊」と「アート」をテーマにしたアートフェア。
Mancy’s Art Nights は東京でも最先端のショップやレストランが集まる麻布十番の、イタリアンレストラン、 Mancy’sTokyo (Luxury + Cafe)を舞台に、「食」と「遊」と「アート」のコラボレーショ ン “タノシクナケレバアートジャナイ”(楽しくなければアートじゃない)を大真面目に考え、10室の”KARAOKE”ルームを展示会場に利用した、新しいコンセプトのアートフェアーです。via : About
2011年の開催予定
- 日時:2月19日 (土) 15:00 – 24:00、2月20日 (日) 11:00 – 21:00
- 会場:Mancy’s Tokyo
- Web:http://mancysartnights.ho-zuki.com/
神戸アートマルシェ
2009年から神戸で始まったホテルアートフェア。すでに2011年の開催が公式にアナウンスされてますね。
アートの中心地である東京とは違う神戸から発信するローカルアートフェア” という形で初開催し、神戸からアートのプロモーションとセールスを展開した『KAM』も第3回目を迎え、更なる充実と発展を目指す段階に入りました。アーティストが作品を生み続け、新しい文化を作るためには、継続的なアートマーケットの成立が必要不可欠です。 via : 神戸アートマルシェ 神戸アートマルシェとは
2011年の開催予定
- 日時:2011年9月30日(金) – 10月2日(日) 11:00~19:00
- 会場:神戸メリケンパークオリエンタルホテル 13階
- Web:http://www.art-marche.jp/
Art Osaka
こちらは大阪で開催されているホテル型のアートフェア。
ART OSAKAの目的は現在活躍するアーティストとともに、その作品やアーティストのコンセプトを美術館、コレクター及びその他の美術関係者に伝える活動をするギャラリーのフェアーを開催する事にあります。実績のあるギャラリー及び今後活動を期待される若手のギャラリーを日本、海外より招聘し、一堂に会することでより新鮮なアートフェアーを実現いたします。via : コンセプト concept | ART OSAKA 2011
2011年の開催予定
- 日時:22011年7月9日(土)-10日(日) 11:30 – 19:00
- 会場:ホテルグランヴィア大阪 26階
- Web:http://www.artosaka.jp/index.html
まとめ
以上日本で開催されているアートフェアを集めてみましたが、正直こんなにあるとは思わなかった。。まさに乱立状態ですね。
にしてもこうやって各アートフェアのステートメントを見比べていると各々の目的とするものと考え方、私利私欲が見え隠れしていておもしろいですね。。
日本人はコンセプトに従ってアクションを起こすのが苦手なのではないかと思っている私としては、そのステートメントに基づいて実際にどのような展示が行われるのかは非常に興味のあるところです。
いずれにしても内輪のお祭りに終わらぬよう「アートを買う」という行為が広く一般に知ってもらえるきっかけになってくれればと願います。