私は今までにない表現方法を模索して制作してます。
そのため、色々と専用の道具を自作しているのですが「不絞」と私が呼んでいる一連の作品シリーズの制作のために自作した金槌がついに悲鳴を上げてしまいました…。
度重なる尋常でない衝撃のために金属疲労をおこしたようで金槌の先端部分が割れてしまったのです。。いやぁこんなのは初めてでびっくりしました。
先端の部分がその割れたところ
こっちが拡大図
もう何百万回振り下ろしたことだろうか…(ちょっと言いすぎ)
通常鍛金と呼ばれる技法で金槌を使う分には割れたりはしませんが、わたくし赤井の作品場合は、相当な負荷を金槌に強いねばならぬため、限界に達したのでしょう。
言っても鉄の塊ですからねー金槌は。 それが割れちゃうわけで…。焼きいれと呼ばれる処理を鉄(炭素を含んだ)に施すと、硬さが増します。 金槌にはこの焼入れが施してあるのですが、 ハードな焼入れを入れると硬さは最強になる分、脆くなります。 でもこの自作の金槌にはそんなハードな焼入れは入れてありません。金属の板を叩くためのものですから、あまりにも硬くなりすぎてしまうと、強度がなくなってしまい、叩けばすぐ割れる金槌になってしまうからです。
焼きを入れすぎていないその証拠に、金槌の頭の部分が何百万回(だから言いすぎ)も叩くうちにどんどんと形崩れをおこしていました。
いやぁ、右手首が限界だーなんて言ってたら、金槌のほうもまた限界だったようであります。。 まいった、まいった。。。作品の完成までに一体何回金槌を作り直さなきゃならないのでしょう。ちなみに金槌は火造り=高温で熱して、やわらかくなったところで金槌で叩き作っています。