先輩の金属造形作家、留守玲さんが出展している<素材×技術>からフォルムへ-布と金属- を見に行きました。愛車のSV400Sで。実は私赤井は大のバイク好き。つくばエキスプレスなんてニューカマーも面白いかも、とも思いましたが、結構金額が張るので結局バイクで。
わたくしが行った日はちょうどお祭りをしておりましてあたりは大混雑。しかしつくばと言う町はつくづく作られた町だナぁと思う。昔から人が営み、徐 々にそして有機的に成長し全体ができてくる町と、先に計画あり、全体あり、というところからできてくる町とは雰囲気が全く違う。これはアート作品について も言えること。
すんごい大雑把に言ってみれば、彫刻科の学生が作る作品と、工芸科が作る作品との違いに似ている。 まぁあくまでおおざぱに。
さてさてそのお祭りですが、
大道芸なんかもやっておりまして、すごい人だかり。ちなみに上の写真の奥に見えるのは、橋本真之さんと留守玲さんの作品。なんと屋外に展示されており、タダで作品見放題!! しかし人々が見るのは大道芸。これが日本におけるアートの現状です。念のため言っておきますが、これは作品自体の良し悪しが問題なのではありません。お二人の作品はとても見ごたえのあるものでした。
日本においてアートは存在していないのです。
文化を楽しむ、育む、大切にするという感覚がはじめから存在していないのです。
そしてアートの楽しみ方が分からないのです。
人々が目を向けるのはエンターテインメントなのです。
我々ツクリテはもっとクリエイティブのことを、アートのことを、工芸のことを広く伝えていかねばならないのです。
なんだかつまらないことを書いてしまいましたのでその後のお話。
折角つくばにまで行ったので、ついでに筑波山まで行ってみようと、バイクを走らせること1時間弱。 筑波山自体は特におもしろいこともなく、しょうがないのでそのまま北の方に下った所で休憩しておりましたら、地元のおばさんに
「あらーどこから来たの?どこ行くの?」
ってな感じで声をかけられて、3,40分ほど雑談。
全く知らない人との会話。
旅の醍醐味のひとつ。
普段生活していても、会話する相手なんて自分のまわりにいるいつものメンバー。知らない人と話すにしても仕事がらみに収斂しがちで。結局利害関係があったりでコミュニケーションとるにも面白くもなんともない。でも何の接点もなく何の関係もない、ただその場に居合わせただけではじまるコミュニケーションってのが旅にはあります。そんなことってあなたの普段の生活においてありますか?何の利害関係もない人との新しい出会い。そんなコミュニケーションありますか?実は旅以外にもこれと同じ出会いをもたらしてくれるフィールドがあります。
それがアート。
展覧会は、旅で味わうようなコミュニケーションを見る人にも、展示する側の人にも与えてくれます。アートはコミュニケーションを生み出すツール。
アートの魅力、価値の一つはこんなところにもあるのです。
そのおばさんに「西光院」というお寺をすすめられてその足で行ってみました。
「自称?関東の清水寺」と呼ばれるそのお寺は、まさにあの清水寺のように断崖に建てられており、筑波山以東を一望できる絶景スポットでした。
つくばのおばちゃん、
すてきなひと時をありがとう。