鍛金の歴史と分類

鍛金の歴史と分類

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  • 最終更新日 || 2010/11/10

鍛金の現場の様子鍛金とは大雑把に言えば「鍛金」という字の如く、金属を鍛える(叩く)技法と考えていただけると分かりやすいと思います。
鍛冶屋さんの仕事に近いものがあります。まず金工技法の中での鍛金の位置づけを見てみましょう。金工技法とは金属工芸技法のことです。

金工技法一覧表

金工技法一覧表

上図のように、金工技法は『鍛金』『鋳金』『彫金』の大きく三つに分類することができます。

鋳金とは

作りたい形の型に、溶けた金属を流し込み金属の形態を作る伝統技法。

彫金とは

簡単に言うと、鏨と呼ばれる金属を彫る道具で文字通り金属を彫る技法のこと。
またイメージとしてアクセサリーを作るような細かい仕事が多い。

そして私の専門とする鍛金技法もまた三つに分類することができます。

打ち出し技法とは

金属の板材を叩いて部分的に地金を延ばすことで三次元の立体にする技法。

鍛造技法とは

鍛造実演

金属のムク材や棒材を熱して叩き形を作る技法。
金属加工で一番世間一般がイメージするのはこの技法。早い話が鍛冶の仕事。
西洋ではアイアンワークと言う。

絞り技法とは

鍛金の実際の様子私が探求している技法で、日本独自の発展を遂げたといわれる技法。
打ち出し技法と同じく金属の板材を加工する技法だが、その方法が異なる。
絞り技法は、金属の板材の金槌で叩きながら、表面積を厚みに変換することで立体を立ち上げる。
絞り技法は、当て金という様々な形状をした鉄の塊の上に、金属の板材を置き、いろいろな種類のかなづちを使いながら叩き成形していく技法です。金属の展延性を利用することで2次元の板材を三次元にすることが可能になっています。

身の回りにあふれる金属の製品のほとんどは、この鍛金の技術からの応用により作られているのです。
日本以外にも絞り技法は存在するといわれていますが、日本の絞りは独特の発展を遂げたといわれています。

鍛金の生い立ち

鍛金という言葉は、明治以降とも言われる位新しいもので、これ以前には「鎚金師(ついきんし)」「鎚起師(ついきし)」あるいは「打物師」と呼ばれる職があり、このような人々が今の「鍛金」と呼ばれる仕事をしていたようです。 私はこの鍛金と言う技法をメインに使って作品を作っています。

鍛金技法は工芸というジャンルに属する、というのが一般的な見解だろうと思います。 しかし私が作るものというのは工芸というジャンルに属しているかどうかは分りません。 鍛金という技法を軸に様々な表現活動をし、それが時に工芸と呼ばれたり、美術・アートと呼ばれたり、オブジェ・彫刻と呼ばれてみたり、クラフトと呼ばれたりするだけのことなのでしょう。

私にとって鍛金とはあくまでも自分の中で基軸となる表現ツールなのです。
まあどっぷり浸かってますケド。。

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