昨日はほんとうにながーい一日だった。
私はスモーカーだ。 おおよそ一日1箱弱の煙をたのしむ。
昨日は一箱じゃあ足らなかった。
ご存知のとおり、一日は24時間。
これは誰に対しても同じ。 平等に与えられている。
でも果たして本当にそうなのか?
photo credit: Infinite Winter Photography
天文学的に、一日とは太陽の南中時刻の正午から次の正午までのこと。
これは地球の自転が毎日正確におんなじだーってことを前提にしている。
でも最近の時計精度の進化により、地球の自転は毎日おなじではなく、ちょっと自転が遅い日もあれば、早い日もあるというのだ。そうなってくると、
一日の長さは、物理的にも毎日同じではなーいということになる。
ちなみに地球の自転速度そのものも年々遅くなってきているらしい。 五億年前は自転速度がいまよりも断然速く、一日は21時間だったそうだ。 10億年後には26時間から27時間になるらしい。 つまりたまたま21世紀に生まれたからたまたま一日が24時間だったのだ。
時間に関してもうひとつトリビアしとくと、 もっとも標準時の多い国はアメリカだ。
合計で6つの標準時がある。 一つの国の中で6つの時間が存在していることになる。
「私の昨日」が長かったのはこの物理的に長かったということではなく、精神的にってことだ。 時間という概念は、そのときの感情・精神によって長くなったり、短くなったりするのは皆さん経験があることだろう。 楽しい時間というのは短く感じるものである。
ウィリアム・フォークナーの言葉にこんなものがある。
「時計が止まるときにのみ、時間は生き返る。」
なかなか深くて重い言葉である。
なんだか「私の昨日」は25年生きていてもっとも長い一日だったような気がした。 たぶん昨日は自転速度が強烈におそかったんだ。
わたしはそう思っている。
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