金属工芸はあれから一体何を成し得たのか?-東京国立博物館見聞録

金属工芸はあれから一体何を成し得たのか?-東京国立博物館見聞録

前回の若冲の回の最後で書いたよーに、東京国立博物館で見つけたド偉いモンをご紹介いたします。金属工芸関係者各位、必見ですぞ。。

いやあ・・・衝撃。。
場所は上野にある東京国立博物館の平成館1階の考古展示室。ここには、縄文時代の火焔土器や、弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪など教科書でみたようなものたちが展示されてます。そう、昔の「モノ」たちが見れる。

円形巴形銅器

まず度肝を抜かれたのは「巴形銅器」と呼ばれる古墳時代のモノ。もう1500年以上前の、銅でできた小さな器状の物体。小学生なんかの頃この手のものを見ても何も思うところは無かったが、金属を使って「モノ」を作るようになって改めて見てみると見えてくるものが全然違う。まるでスピニングと呼ばれる現代の機械で作ったかのような精巧な半円のその器。1500年以上も前にこんなもの作られちゃ正直参ります・・・。と同時に、こんな時代から幾何学的形態志向があったのかと・・・。実際目の当たりにしてしまうとホント衝撃。

金製垂飾付耳飾

挙句出ました「金製垂飾付耳飾」!!これも4,5世紀の古墳時代。写真は金鳥塚古墳出土のもので、国立博物館に展示してあったものとは違いますが、今でもこんな感じの似たようなものたくさん見かけますよねー。ちょいとカタチが違うとか、色が違う程度で。

技法的にも、目指さんとするところも、時代はこんなにも変わっているのにほとんど何にも変わってない・・・。ちなみに「銀象嵌円頭柄頭」なんてものもあったりして(銀象嵌やってたんだねえ古墳時代人・・・)、もう現代に続く金属工芸のすべてはこの古墳時代に完成していたといってよいんじゃないかしら。

そうそう、そう言って今思い出したんだけど、昔ギャラリー知器に足を運んだとき、そこで展示しておられた芸大の保存修復工芸研究室の内堀さんに色々お話を伺ったのですが、内堀さんは仕事柄、古代の金属造形物を多く目にしておられまして、興味深かったのが「鍛金の道具なんてもう何百年も変わってない」っていう一言。今鍛金の仕事で使うような道具が、昔の地層からごろごろ出てくるんだそうで。道具自体何にも変わってないっておっしゃってたのを今思い出しました。一体金属工芸はこの1500年の間に何をなしえたんでしょうかと、思わざるを得ないような衝撃的な展示。金属造形に関わる方々、是非ご覧アレ。
安くてなかなか知的好奇心をそそる博物館であります。

東京国立博物館

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