変態、奇才、大天才=伊藤若沖

変態、奇才、大天才=伊藤若沖

先日岡本太郎の「明日の神話」と国立博物館で開かれていた「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」、そして青山スパイラルで開かれていた東北芸工による「明かりと素材」展を見てきました。 色々思うところが大いにありまして、書き連ねればそれはそれは長くなってしまいそうなので3回にわけて小出しにしていこうと思います。

プライスコレクション伊藤若冲と江戸絵画展

そんなわけで今日は変態、奇才、大天才の若沖先輩から。
いやあ・・・すごいですね伊藤若冲。

若 冲が同時代のほかの画家と何が違うかって言うと、それは彼が風景やモノを描いたのではなく、「絵」を描いたということ。 四角い画面で「表現」をしようとしたことです。それは描写でもなく、写実でもない。若冲というと病的な描写力が強調されすぎですが、あれは写実のための描 写じゃない。 あれは紙という領域の中の描写の密度とバランスってものを考えたときに必要だったから描写した。 四角い紙の中【に】何かを表現しようとしたのではなく、四角い画面【で】何某かを表現しようとした。 この違い。

これは墨画(←ちょいと画質が悪いですが)を見れば一目瞭然。超がつくほど大胆な荒々しい筆さばきと色の濃淡、そして描写が抜群のセンスにより融合してる。作品見て鳥肌立ったよ久しぶりに。。 描写の密度とバランス、そしてセンスということでいえばアンドリュー・ワイエスを凌ぐね間違いなく。 まあワイエスは大好きなんですけど。

参考までに下の写真は動植綵絵(どうしょくさいえ)と呼ばれる一群の作品の中の芙蓉双鶏図と老松白鳳図。

伊藤若冲展、動植綵絵の中の芙蓉双鶏図と老松白鳳図

加えて若冲の天才ぶりは之にとどまらない。

伊藤先輩は多様な表現方法を模索してた。例えば点描。
印象派に代表される、画面を筆でつつくようにして点の重なりで絵を書くこの技法。19世紀後半のフランスに発し、美術の大潮流になったこの技法ですが、実は18世紀に若冲が似たような事を試みてたんですね。

後面白いのが若冲独自の枡目描きで知られる有名な「鳥獣花木図屏風」。琳派なんかが日本を折檻していた時代にこんなにも革新的なことをやってのける先輩はやっぱ天才です。 脱帽。。以上赤井太郎的伊藤若冲論でした。

あと棚から牡丹餅で、予備校時代に平面構成の参考にしていた酒井抱一が見れたのも良かったな。

んでこの後博物館の方へ足を運んだらびっくり仰天・・・。
金属やってる人たちは是非見て欲しいってもんを見つけちゃいました!!

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