旧朝香宮邸とアールデコと違和感と

旧朝香宮邸とアールデコと違和感と

  • 投稿日時 || 2008年1月19日

先日東京都庭園美術館に行ってきました。 朝香宮[あさかのみや]邸として1933年に建てられた建物が現在美術館として公開されているところです。 その敷地内に庭園(日本庭園、西洋庭園、芝生公園の3つからなります)があるのですが、大都会のど真ん中にある「緑」っていいですよねー。 晴れた日に散歩すると、そこは心落ち着くまさにオアシス。

東京都庭園美術館

行ったその日はちょうど写真撮影し放題の日だったらしく、普段はあんまり人のいない庭園美術館ですが、カメラ小僧たちで混み合っていました。(小僧といったってやはり年配の方が多かったです。しかもいいカメラもってましたねーみなさん) そんなわけで内部を撮り放題です!! (写真はすべてcanon power shot g9)

アール・デコ調ストーブ

冒頭で申しましたとおり、庭園美術館は旧朝香宮邸。 建設は昭和のど真ん中。
その様式はというと20世紀初頭ヨーロッパで大流行したアールデコ。 アールデコ様式とは簡単に言うと、産業革命を皮切りに工業化が進み、それによって”直線”っていう形が作りやすくなった。 それ以前は機械なんてないから全部手仕事になるわけだけど、直線のものをつくろうとするとすんごい技術が必要だったわけ。 今だって手仕事にとって一番難しいのがこの”直線”をはじめとする幾何学的な形。

室内照明

あたりまえだけど”自然界には幾何形体なんて存在しない” すべてが”ぐにょぐにょ”だから。 どのくらい大変かって言うと、、、すんごい大変(笑) ほんとうに熟練の技術が必要とされる。 そんな直線をメインした幾何形体を軸に造型するという、今で言えばすんごい当たり前になっている造型の考え方が初めて実践されたのがこのアールデコ。

今世の中に溢れている造型の論理は、このアールデコが廃れた際に登場したバウハウス的な規格的造型。これまた工業化の産物でありますが、これは合理的であり非装飾的なもの。 アールデコは工業化を前提とした造型ではありましたが、きわめて装飾的であったのです。幾何形体による装飾

アールデコ調照明

かなり手の込んだアール・デコのライト

田舎モノみたいに写真をばしゃばしゃ撮っていたら、動く金属彫刻を多数制作されている彫刻家の大隈秀雄さんに偶然お会いしました。 なんでもご家族でいらしていたとのこと。 展覧会やらなんやらを見に行くと、必ずと言ってよいほど、知り合いの作家さんやら関係者やらにお会いします。(w)

この旧朝香宮邸。 皇室の”お家”として建てられたものにも関わらず、西洋の美術様式に沿ってフランス人デザイナーが設計し作られたものだそうです。 時の天皇は国の最高指導者。 そんな皇室の自宅が西洋様式。 今のアメリカホワイトハウスは日本建築の様式でしょうか? いえ違います。 韓国の大統領府である青瓦台は?

庭園美術館の内部の様子

庭園美術館の照明

もちろん旧朝香宮邸は大統領府ではありませんでした。 それに朝香宮初代鳩彦王はフランスに留学していた際に、アールデコを世に知らしめた1925年のパリ万国装飾美術博覧会に訪れて、そのときに感化されたようであります。 しかし公的に日本における重要なポジションにいた人間の自宅が西欧を発端とするアールデコ様式というのはなかなか興味深いなぁと思いながら楽しんできました。

東京都庭園美術館

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